船井総研グループ創業者の舩井幸雄は、企業繁栄のポイントとして、「時流に乗ったときに業績を上げられる」ということを常々説いていました。
時流“適応”ということは、流れを後追いして対応するのではなく、先取りして適応していかなくてはなりません。
そこで、今回は、2024年以降設計業界がどのように時流が変わるのかを予測いたします。
設計事務所の業界は現在、変革期にきております。団塊の世代が立ち上げた設計事務所の多くが世代交代(事業承継)を考える時期です。
「そもそも後継者がいるのか?」、「創業者に依存しない設計事務所づくりができるか?」と多くの設計事務所の創業者が悩まれております。
“創業者頼りにならない“設計事務所をいかに作れるかが、世代交代したあとの成功のキーポイントとなります。
ご存じの通り、住宅着工戸数は減少傾向であり今後ますます加速します。加えて公共案件に関しても小粒化してきております。
その中で現在好調を維持している設計事務所は、非住宅案件を受注しております。工場や福祉施設などの非住宅は建て替えニーズも含めて今後も一定数需要があります。
手離れが悪い案件(場合によれば無報酬案件)・利益率が低い案件を対応し疲弊する設計事務所がいる反面、民間非住宅案件で高利益を残している事務所が目立ってきております。
2024年問題をはじめとして現在、政府としては働き方改革・労働環境の変革を求めております。設計士が不足している(不足していく)業界の中で生産性の向上は必須です。
働き方改革助成金をはじめとした多くの補助金・助成金があるように政府としても力をいれている領域です。数少ない設計士の採用においても
オンライン対応やBIM対応できるかといった観点から、採用できる事務所とそうでない事務所で2極化進むことが予測されます。
創業者に頼らない設計事務所づくりのためにも安定的に設計案件を獲得する必要があります。年によって異なる不安定な紹介案件や公共案件頼りではなく、
民間非住宅案件の問い合わせが自動的に設計事務所にくるようなWEBサイト作成及びWEB広告・チラシ広告運用を進める設計事務所が増えます。
顧客リスト(メルマガリストなど)に自動で営業・確認メール送信をするなど営業においてもデジタルが活用されます。
高生産性の設計事務所を目指す中で必ずといって必要なものが“BIM”の活用です。「導入を検討している」「導入したがうまく活用していない」という
設計事務所が多くいる中で、実施設計まで導入に成功している設計事務所が徐々に増え始めております。
設計事務所経営における総務業・経理業・人工管理(利益管理)をどんぶり勘定で行っている事務所は多いです。
Excelや紙を使用した管理体制では、同じ内容のものを2度打ち・3度打ちが当たり前ですが、社内管理ソフトを導入することで
一元管理することができ無駄な作業を省き生産性を高めることができます。
“創業者に頼らない“設計事務所を目指すために、設計事務所の強みを全面に打ち出して創業者のことを知らない方から新規案件を獲得する必要があります。
これまでの“待ち”の体制から“攻め”の体制に変革して、積極的な営業活動を行っていきましょう!
安定的な案件を獲得する体制になれば、案件あたりの生産性を上げる必要があります。
そのためには設計士が設計業務に集中できる体制づくりはもちろんですが、BIMの導入×社内管理DXを行い、設計業務の効率化を目指しましょう!
ほかの設計事務所と比べた際に明確な強みをだす必要があるので、特化商品を作りブランド化します。
特化商品以外も扱いますが得意商品を打ち出すことにより問い合わせが来やすいです。
自社のブランディングを行ったのちに、会社概要サイトとは別に新規の集客専門サイトを作成×効果的な販促活動を行い、問い合わせを獲得します。
BIMの導入と同時並行で働き方改革を実施します。
既存設計業務を行いながらBIMの作業に慣れるのは難しいため、新入社員などをBIMしか扱わないようにして社内に浸透させることがおすすめです。
※BIMしか扱わない社員を育成する際に、孤立しないように幹部陣がしっかりとフォローすることが重要です。
社内管理ツールを統一化して、バックオフィス業務を効率化します。
物件情報にすべてのデータ(人工や外注費、請求情報など)を紐づけ一括管理します。
売上規模1.2億円の株式会社木村設計A.T様は岩手県の介護事業者・障がい福祉事業者に販促活動をしたことで、地元で認知度が上がり、取り組み3年間で問い合わせ数は10倍近くに増加しました。(毎月3件の問合せ)
2017年に先代から代表を引き継いだものの、公共案件の減少&単価の小粒化。民間案件の作り方は分からない。そうはいっても経営の先行きは不安といった
悩みを抱えておりました。そんな時、2019年頃に船井総研と知り合い、“介護施設・障がい者施設の民間受注なら伸ばせます”という言葉を聞いて、半信半疑でコンサルティングを依頼。設計事務所としては常識破りな提案内容(完成見学会やWEB広告など)に驚きつつも素直に実施したことで、設計受注を伸ばすことができました。おかげさまで、今では、「介護福祉施設に強い設計事務所@岩手県=木村設計A・T」という確固としたブランドを築くことができました。
船井総研さんは全国の先進事例を持っているので、その内容を地方商圏である岩手県で実施すると成果が出るため感謝しております。今後も末永くお付き合いをお願いできたらと考えております。
売上規模1.0億円の株式会社翁長設計様は取り組み初年度で民間案件数が20件→70件に増加。
“工場倉庫・農業施設を強みとする設計事務所@沖縄県”と言えば翁長設計のブランド作りを進めました。
2022年に船井総研さん主催・木村設計A・Tさんゲスト講師の民間受注拡大セミナーを視聴して、コンサルティングをご依頼しました。当時、弊社は代表のツテや紹介をもとに案件作りをしておりましたが、将来的な代替わりを控えており、会社を引き継ぐ身としては、今後の経営に不安を感じておりました。
そこで、船井総研にご依頼して、民間案件・民間受注アップの取り組みを開始しました。正直、当初は、コンサルティング会社にご依頼など
したことがなく不安で一杯でしたが、最初の仕掛け(見学会)から大成功して、ビックリしたことを覚えております。その後も、サイト制作やWEBマーケティング、営業ツールの作成、展示会出展、DXサポートまで幅広くフォローしていただいており、大変感謝しております。今後も船井総研さんと一緒に頑張っていければと思いますので、ご指導お願いいたします。
いかがでしたか?
今回は2024年の設計業界時流予測というテーマのコラムでした。
将来を見据えた設計事務所の経営を行う上で時流をつかむことは重要です。
本コラムが会社経営の一助となれば幸いです。
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